2008年 06月 26日
●アールブリュット・交差する魂、そしてペットサウンズ |
京都RAGさんでのライブまであと一ヶ月を切った。
一年ぶりのライブにむけてのリハーサルも始まり、意気もあがってきた
ところだ。
今年の京都RAGさんでのKENSOライブは、「若き日の私へ」「朱に交わればRED」
「新宿厚生年金に空」といった新曲が初演される記念すべきライブと
なるだろうし、ここ数年演奏していなかった初期の某曲を京都という
場所だからこそ演奏してみたいと思っている。
関西でのライブは、体力的にも経費的にも、今後はどんどん難しく
なっていくと思うので、
関西方面の方には、ぜひこの機会にKENSOのライブを
体験してほしい。
自分のすぐ目の前でKENSOが演奏しているのを見ることができる、
またとない機会なので、そういう意味でもぜひ。
みなさん、今年はまず京都で会いましょう!!
さて、ではバトル〜〜を始めよう。
6月某日、忙中閑ありというか、忙中無理矢理閑を作って、
松下電工汐留ミュージアム(銀座線新橋駅からすぐ)で開催されている
「アールブリュット・交差する魂」を見に行った。
パンフレットの冒頭から引用する。
アールブリュット<生の芸術>(またはアウトサイダーアート)と
称される作品たちは、正規の美術教育を受けていない人たちによって、
文化潮流や伝統、また流行などとは無縁に制作されています。
作り手本人のやむにやまれぬ思いにのみ司られ、作られているのです。
それゆえ作品は、人が人として存在する上で根源的に持っている
「表現したい衝動」というものの底流を、ありありと伝えて来ます。
アウトサイダーアートの作者は精神障害を患っていることが多い
ようだが、まあその作品のすごいこと!
私はいつくかの作品、、、、いや、ほとんどすべての展示作品の前で
「すごすぎる」とうなってしまった。
苦悩、喜び、憧れ、そうした感情がなんの細工もなく
横溢している作品もあれば、尋常でない幻想性を帯びた作品もある。
本当に圧倒された。行ってよかった。
ぜひ、皆さんも体験してください。
さて、では別の話題。
昨年春から夏にかけて、急激にビーチボーイズにはまったことは以前このブログでも書いた。
あのあと、クリニックの改装やら、DVDの制作やら何やらで、一時期ほどの
熱は冷めたものの(手元に残された未聴のブートCDに我ながら呆れている)、
不朽の名作といわれるPET SOUNDSだけは、今でも頻繁に聴いている。
何とかしてこのアルバムの神髄を理解し、深く味わいたいが
ために聴いている感じだ。
一ヶ月位前、某雑誌に、アメリカの作家Jim・Fusilliが書いた
PET SOUNDSについての本を村上春樹氏が翻訳、、という記事が載っていた。
村上氏には、「スイングしなければ意味がない」(だったかな?)という
ようなタイトルの音楽エッセイ集があり、
その中でブライアン・ウイルソンについてなかなか素晴らしい文章がある。そんなこんなで、この「PET SOUNDS」を読んでみた。
天才の苦悩、商売のことしか考えていない周囲との軋轢などについて、
思い入れたっぷりに書かれていて、気持ちが熱くなるし、作家らしく
歌詞についても(そして、それを10代のころに聴いた著者自身の
感受性豊かな青春への影響も)つっこんだ解釈をしていたので、
私もそれらを読んで、改めてPET SOUNDSをじっくり聴き直して
みようと思った。
この本の中に、直接的にはPET SOUNDSから離れたこんな文章があって、
とても共感を覚えたので、引用しておく。
「今日にあっては、ロックミュージックについて理性的に話し合うことは
とてもむずかしい。というのは、それが純粋に音楽についての話になることは
きわめて希だからだ。そのグループに人気があるかどうか、そのジャンルがヒップ
であるかどうか、そのレコードが売れたかどうか、それにつけられた音楽ビデオが
かっこいいかどうかーーそんな表面的なものごとが音楽自体の質やら精密さを飛び越えて、リスナーの頭をまず占拠してしまうからだ。」
そしてさすが村上春樹氏、、、「翻訳者のあとがき」が素晴らしい。
自身のビーチボーイズとの出会いやビートルズのSGT.ペッパーとの比較など、
実によい切り口で、心が熱くなる。
ということで、最近ヘビーな内容の本ばかり読んでいた私には、
とても楽しく、しかも有意義なエンターテインメント読書だった。
一年ぶりのライブにむけてのリハーサルも始まり、意気もあがってきた
ところだ。
今年の京都RAGさんでのKENSOライブは、「若き日の私へ」「朱に交わればRED」
「新宿厚生年金に空」といった新曲が初演される記念すべきライブと
なるだろうし、ここ数年演奏していなかった初期の某曲を京都という
場所だからこそ演奏してみたいと思っている。
関西でのライブは、体力的にも経費的にも、今後はどんどん難しく
なっていくと思うので、
関西方面の方には、ぜひこの機会にKENSOのライブを
体験してほしい。
自分のすぐ目の前でKENSOが演奏しているのを見ることができる、
またとない機会なので、そういう意味でもぜひ。
みなさん、今年はまず京都で会いましょう!!
さて、ではバトル〜〜を始めよう。
6月某日、忙中閑ありというか、忙中無理矢理閑を作って、
松下電工汐留ミュージアム(銀座線新橋駅からすぐ)で開催されている
「アールブリュット・交差する魂」を見に行った。
パンフレットの冒頭から引用する。
アールブリュット<生の芸術>(またはアウトサイダーアート)と
称される作品たちは、正規の美術教育を受けていない人たちによって、
文化潮流や伝統、また流行などとは無縁に制作されています。
作り手本人のやむにやまれぬ思いにのみ司られ、作られているのです。
それゆえ作品は、人が人として存在する上で根源的に持っている
「表現したい衝動」というものの底流を、ありありと伝えて来ます。
アウトサイダーアートの作者は精神障害を患っていることが多い
ようだが、まあその作品のすごいこと!
私はいつくかの作品、、、、いや、ほとんどすべての展示作品の前で
「すごすぎる」とうなってしまった。
苦悩、喜び、憧れ、そうした感情がなんの細工もなく
横溢している作品もあれば、尋常でない幻想性を帯びた作品もある。
本当に圧倒された。行ってよかった。
ぜひ、皆さんも体験してください。
さて、では別の話題。
昨年春から夏にかけて、急激にビーチボーイズにはまったことは以前このブログでも書いた。
あのあと、クリニックの改装やら、DVDの制作やら何やらで、一時期ほどの
熱は冷めたものの(手元に残された未聴のブートCDに我ながら呆れている)、
不朽の名作といわれるPET SOUNDSだけは、今でも頻繁に聴いている。
何とかしてこのアルバムの神髄を理解し、深く味わいたいが
ために聴いている感じだ。
一ヶ月位前、某雑誌に、アメリカの作家Jim・Fusilliが書いた
PET SOUNDSについての本を村上春樹氏が翻訳、、という記事が載っていた。
村上氏には、「スイングしなければ意味がない」(だったかな?)という
ようなタイトルの音楽エッセイ集があり、
その中でブライアン・ウイルソンについてなかなか素晴らしい文章がある。そんなこんなで、この「PET SOUNDS」を読んでみた。
天才の苦悩、商売のことしか考えていない周囲との軋轢などについて、
思い入れたっぷりに書かれていて、気持ちが熱くなるし、作家らしく
歌詞についても(そして、それを10代のころに聴いた著者自身の
感受性豊かな青春への影響も)つっこんだ解釈をしていたので、
私もそれらを読んで、改めてPET SOUNDSをじっくり聴き直して
みようと思った。
この本の中に、直接的にはPET SOUNDSから離れたこんな文章があって、
とても共感を覚えたので、引用しておく。
「今日にあっては、ロックミュージックについて理性的に話し合うことは
とてもむずかしい。というのは、それが純粋に音楽についての話になることは
きわめて希だからだ。そのグループに人気があるかどうか、そのジャンルがヒップ
であるかどうか、そのレコードが売れたかどうか、それにつけられた音楽ビデオが
かっこいいかどうかーーそんな表面的なものごとが音楽自体の質やら精密さを飛び越えて、リスナーの頭をまず占拠してしまうからだ。」
そしてさすが村上春樹氏、、、「翻訳者のあとがき」が素晴らしい。
自身のビーチボーイズとの出会いやビートルズのSGT.ペッパーとの比較など、
実によい切り口で、心が熱くなる。
ということで、最近ヘビーな内容の本ばかり読んでいた私には、
とても楽しく、しかも有意義なエンターテインメント読書だった。
by kenso1974
| 2008-06-26 11:47