●日々是精進 |
内容をやっていたので、あまり期待せずに録画して見た。
野村義男、ローリー寺西らが出演者だと知って、軽くて、ツッコミの浅い番組に
なることはある程度わかっていたが、ひどかった。山本恭司氏や大谷レイブン氏が
見ていても、きっとそう感じたのではないだろうか。野村義男は以前に何かの
番組でも見事に「移民の歌」のリフを間違えて弾いており、「どうせ、彼にとって
ジミー・ペイジはたいした存在ではないのだろう」と感じたことがある。
ところが本番組の中では彼にとってジミー・ペイジが大きな存在であるという、
私にとっては意外な発言。だったらもっとちゃんと綿密に丁寧にギターフレーズを
コピーしてほしい。彼は浜崎某のバックをやっていたと言っていたが、
浜崎ファンのきっと0.1%くらいしかギターが何を弾いているかなんて聞いて
いないだろう。
だからといって、ジミー・ペイジのギターのキモであるひとつひとつの音を
いい加減にコピーしてよいということではないはずだ。
ローリー寺西氏は、まあ、ああいうキャラだから軽薄なのは仕方ないとして、
軽薄キャラだからこそ、私のようなマニアが見て「こいつはすごい」と唸って
しまうような追究の仕方をしてほしいものだ。
かつてスカンチというバンドでの彼を見た時、曲はクイーンのパクリで
あったが、ほんとツメが甘いというか、要するに自分に課しているハードルが
低すぎるのではないだろうか。この日はジミー・ペイジのギターにおける
カントリー・ミュージックからの影響をしたり顔で語っていたが、
ジミー・ペイジのそれはカントリーではなく、ブリティッシュ・トラッドである。
(もちろん、ジミーの豊富なセッション経験の中でカントリーを演奏したことも
あるだろうが)バート・ヤンシュ、ジョン・レンボーンといったギタリストからの
多大な影響は有名な話だ。
スティーヴ・ハウを語るならカントリーを引き合いに出すのはOKだろうが。
また、野村&ローリー共に番組内で弾いていたZEPの有名曲のリフ、
弾いている弦とフレットが間違っており、ジミー・ペイジ大好きということで
テレビに出るのなら、少なくともオフィシャルの映像はすべてチェックすべき
ではないか。その点、三年前くらいにベーシスト・ナルチョさんのライブで観た
山本恭司さんの弾くZEPナンバーはさすがであった。まあ、比較するのは可哀想だけど。
それと、もう録画を消去してしまったので、誰の発言だか確認できないが
(最初はローリーが“ダドガド”と発した様な記憶がある)DADGADチューニングが
ジミー・ペイジが考案したという説もあると言っていた。おいおい、って感じです。
皆さん、ほんと“掘り下げ”が足りなすぎますぜ。
きっとZEPの「Black mountain side」がブリティッシュ・トラッドの
名曲「Blackwater Side」を下敷にしていることすらも知らないのだろうな。
それにしても、野村、ローリー、佐野史郎、司会者の佐渡裕のだれひとりとして、
(ケルトという用語が何度か出でいるにもかかわらず)ブリティッシュ・トラッドと
カントリーの関連についてアイルランド移民と絡めて、ほんのちょっとでも
言及しないのだろう。疑問が残った。
ま、これがテレビか。
さて、私の現状です。
来る8月11日のトシミ・セッション、河野啓三君、今井頼義君というメンバーで、
久しぶりに「キャプテン・カリブ」とか「ルーム335」「ラ・フィエスタ」とかの
フュージョン(というかクロスオーバー)を演奏できるのでは?と期待したのであるが、
永井さんはともかく、河野くんから提案された演奏曲も、
「えっ!!?」というほどマニアックなプログレ曲。
要するにセットリストがプログレ満載になってしまった。
それならば、私も昔から大好きで、一度演奏したいと思っていたカンタベリー畑の
名曲を提案。一所懸命、「耳コピー」し譜面におこしました。
野村某やローリー某のようにならないために、丁寧に時間をかけて。
まあ、もちろんセッション用にアレンジしますが。
永井さんから提案された某曲は、KENSOの在る曲名の由来ともなった曲。
永井さんのベースで、この曲を演奏できるなんて幸せだ。
そうしてもう一曲は、これはもうプログレファンなら狂喜するでしょう曲。
きちんとコピーしたことはなかったので、今、毎休診日には練習してまっっす。
トシミ・セッション、ぜひいらして下さい!!
それと、みなさん、RXというバンドはご存知ですか?
私も、“聖飢魔II”のメンバーの方々がやっているプログレっぽいフュージョン
バンド”程度のことは知っていました。
KENSOのレコーディングをしていたスタジオが、RXとも関係していたので、
CDも聴いたことがあったかもしれません。
そのRXの新作に、一曲だけ参加を要請され、7分12秒の大曲でギターを弾かせて
いただきました。和田アキラさん他、超テクニシャンが他の曲ではギターを弾かれると
いうことで、私でよいのかなあ?とも感じましたが、
「プログレっぽくしたい」というメンバーさんからのオファーだったので、
じっくり考えて自宅で時間をかけて録音しました。
メンバーである松崎さんの書いたこのキャメル・テイストの曲、
曲自体が素晴らしかったので、レコーディングを進めて行くうちに、
KENSOの曲を演奏しているかと錯覚するほどの思い入れを持つことができ、
ベストを尽くしました。リリースは9月25日だそうです。聴いて下さい!!
このあとの文章は、3月に書いたものですので、ちょっと内容が前後しますが、
木村大さんのアルバムについても書いたので、ぜひお読みください。
あ、その前に告知するんだった。AREAが9月に再び来日します!!
本ブログにもちょこっと書きましたが、4月の初AREA体験は衝撃的でした。
皆さんもぜひ体験してください。
歴史的にも音楽性からも、正にプログレッシヴ・ロックと言えます。
以下、クラブチッタからの情報です。
2013年9月、【ニュー・トロルス VS アレア】 プレミアム公演決定!!
「イタリアン・ロック・ヒストリー -伝統と革新の邂逅-」
--------------------------------------------------------------------------------------------------
*イタリアン・ロック・ヒストリー 公演特設ページはこちらからチェック!!
⇒ http://clubcitta.co.jp/001/italian-rock-history/
-------------------------------------------------------------------------------------------------
●ニュー・トロルスがコンチェルト・グロッソNO.1とNO.2に、35年ぶりにルイス・エンリケ・バカロフと作り上げた本邦初公開となるNO.3を加えたコンチェルト・グロッソの完全版を演奏!! (9月22日)
●衝撃の初来日公演で多くのロック・ファンを打ちのめし、今最も再演が望まれるアレアが日本再上陸。
ヨーロッパ最強のバンドのプライドをかけたフル・パフォーマンスは必見!! (9月21日)
●公演情報●
CLUB CITTA' PRESENTS / 25th Anniversary
イタリアン・ロック・ヒストリー -伝統と革新の邂逅-
ニュー・トロルス(with String Orchestra) VS アレア
2013年9月21日(土)・22日(日)
会場:CLUB CITTA'
◆9月21日(土)
OPEN 16:00 / START 17:00
アレア・フル・パフォーマンス DAY
(Best of 70's + New Songs)
第1部:ニュー・トロルス 17:00~18:15予定
第2部:アレア 18:45~20:30予定
◆9月22日(日)
OPEN 16:00 / START 17:00
ニュー・トロルス・フル・パフォーマンス DAY
(Concerto Grosso no.1、2、&3)
第1部:アレア 17:00~18:15予定
第2部:ニュー・トロルス 18:45~20:30予定
※演奏時間及び内容は変更になる場合があります。
---------------------------------------------------------------------
前売 ¥13,800-(税込)
【全席指定】
※ご入場の際ドリンク代として¥500が必要となります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以上、クラブチッタからの情報でした。
さて、では3月に書いていた文章です。
なんとEXIL●のHIROが今年いっぱいでパフォーマーを引退し、
EXIL●の未来を創る新たなステージへ踏み出すことを決意されたそうである。
これは一大事である。あんなに素晴らしい方々に大きな転機が訪れたのである。
「あと何年かすればかつてのイエ・イエ・ガールズのように、ひな壇の後ろで踊っているかもしれない彼らに未来はあるのか」などと言ってはいけない、思ってもいけない。
誰だ、そんなことを言う奴は。
そういう悪い人は、中目黒のEXIL●のスタジオで彼らの信者にボカボカにされてしまう
であろう。だって教祖であるEXIL●自体が“知力より腕力”っぽいではないか。
何も知らないひとに言っておくとEXIL●というのは、日本の歌謡曲のグループで、
キング・クリムゾンの名曲「EXILES」とは、
その音楽的価値において天と地ほどの差がある。
さて、どうでもよい話題はこれで終わり。
「人間は誰でも何らかのその人特有の才能を持っているはずである。
自分の才能は、多くは自分でも夢中になっている領域である。
しかし人との比較や自尊心にとらわれて、その才能を見捨てることが多い」
(町沢静夫著「精神科医が見つめた 心が病むということ 癒されるということ」より)
自分でもついつい夢中になってしまうこと、それは私にとっては勿論音楽である。
特に、作曲や自宅録音はしばしば夢中になってしまい、家族から白い目で見られる
こともたびたびあった。才能ある芸術家を何人も友に持つ私としては、
自分に才能があるなんてとても言えないが、もしあるとすれば、
やはり音楽だろうとは想う。
現在、今はまだ詳らかにできないが、あるバンドの新作にギターとして一曲だけ
参加を依頼され、そのダビングに熱中してしまっている。
その昔、KENSOのメンバーのひとりが某大物スタジオ系ギタリストについて、
「●●さんは、アイドルとか歌謡曲のレコーディングだと、譜面を見て、
ちょこちょこっと3パターンくらい弾く。そのいずれもが曲にはまっているんです。
で、“じゃ、これで”と1時間くらいでそのスタジオを去って次の仕事に向かうんです」
というようなことを私に話してくれたことがある。
言うまでもなく、そんなことは私にはできない。
しかし、今回、その音楽が他人の作品であったとしても
(“自分のバンドの作品でないとしても”と言い換えてもよいかもしれない)
夢中になってしまう自分に気付いた。
私に託された数小節をなんとか良い物にできないか、四六時中考えてしまうのだ。
最初から良い曲だなあとは思っていたが(でも、実は最初の最初はピンとこなかった)、
何度も何度もその曲を聴いているうちに、
作曲者の“想い”が伝わってきた瞬間があって、
なんと涙がでてきてしまったのだ。
もうこうなると、もはや“他人のバンドの作品”ではない。
そのバンドの作品のことは、いずれ情報解禁になったら本HPで触れることにして、
「才能」
それを感じさせるギタリストのことを書こうと思う。
10年くらいまえだったか、
木村大という若きギタリストについて教えてくれたのは小口健一氏であった。
「すごくいいですよ。なんかロックを感じるんですよね」と。
小口君の勧めるままにアルバムを一枚買い、一時よく聞いた。
19歳だかでプロデビューした才気溢れるクラシック・ギター界の若き旗手、、、、、。
その木村大氏が、なんと自分が影響を受けたロックやポップスナンバーの
カヴァーアルバムをリリースした。アルバムタイトルは「HERO」だ。
多忙な私としては、まずはipodに入れて(でも、圧縮はかけず)聴いてみた。
なかなかだったが、クラシック・ギターにアレンジしたロック名曲集という
印象を受けた。
でも、数日後に、院長室のスピーカーで誰にも邪魔されずにこの音楽と
対峙した時にはipodで聴いた時とはかなり印象が変わり、
初めてこのアルバムの真の姿が感じ取れたと思えた。
だから、皆さんも本アルバムはスピーカーで聴いてほしい。
アコギのボディの鳴り、弦をはじく微妙なニュアンスなどを楽しむために。
まあ、当たり前だが、上手い。
その上に、きっとクラシック・ギターとしてはありえないような(ロックギターには
満載だが)過激なプレイをしているのだろう。思わず鳴ってしまった開放弦の、
おそらくはミストーンも含めて、実にロック的である。
ジミヘンの「Purple Haze」など何曲かで、オリジナルの音程とは異なる音程や
リズムでリフやボーカルのメロディを弾いている部分は、
もし将来ご本人に会えるようなことがあれば、確認したいと思う。
「あれは、オリジナルは●◯ですけど、木村さんは△◯と弾いてますよね。
どうしてですか」などと。
もちろん、これだけの耳を持った人がコピーミスをするとは思えないが。
ZEPの「BRON-YA-AUR」は、まさにトリビュートとはこういうものだと
言えるほど原曲に対する愛情と尊敬に満ちた演奏。
「Beck's Bolero」などというマニアックな選曲も面白い。
プログレファンには、きっとEL&Pの「The Sage」が受けるだろう。
グレッグ・レイクに是非聴かせたい。
「俺は本当はこう弾きたかったんだよ!」と大喜びするのではないだろうか?
完璧である。
カヴァー曲を挟み込むオリジナル曲も、デビュー作からの成長を感じさせる
ゆったりとした大きな流れを持った曲で素晴らしかった。
ギターって、本当に色々な可能性を持った楽器だということを改めて感じた。
ご興味があったら聴いてみて下さい。
「誰でもが才能を持っている。
しかしその才能を追い続けるという勇気は稀なものである」
(エリカ・ジョン)